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シャンプーボトルの“ギザギザ”誕生秘話

シャンプーボトルのギザギザ「きざみ」が生まれた経緯について取り上げます。「花王」がきざみを生みだしたきっかけや、世間の声などをご紹介。シャンプー業界が消費者のために取り組んだ努力に興味がある人はぜひ参考にしてください。

シャンプーボトルの“きざみ”が生まれた経緯とは?

 

 
普段何気なく使っている“シャンプー”。お風呂場にシャンプーとリンスの2つのボトルを置いている人も多いと思いますが、この2つのボトルにはちょっとした違いがあります。シャンプーの容器にはギザギザとした“きざみ”がついており、リンスの容器には“きざみ”がついていません。これは目が悪い人や、目をつぶって髪を洗っている人が手触りだけでどちらかわかるようにするための印。化粧品メーカーである「花王」が始めたものなのですが、この“きざみ”ができるまでの経緯が今注目を集めています。
 
「花王」の公式サイトによると“きざみ”は消費者の声から生まれたアイデア。「シャンプーとリンスの容器が同じで紛らわしいから形を変えてほしい」「目が不自由なので容器に工夫してほしい」という要望が多かったため、容器の研究に乗り出しました。花王は盲学校を訪問し、目の不自由な人たちが「ボトルに輪ゴムを巻く」「点字を刻印したテープを張る」といった工夫をしていることから、“触ってわかる”容器を開発。1989年に研究を始めて、1991年にはギザギザのきざみがついた第一号商品が登場することに。
 
このきざみは実際に役立っているようで、ネット上には「私もギザギザで判断してる。目を瞑ってるときに手だけでわかるのが有難い」「お風呂に入るときはメガネ取るから、文字なんて見えないし、ギザギザがあって助かってる」「これ初めて考えた人凄い!」といった声が数多く上がっていました。

あえてアイデアを開放! ネット上には「素晴らしい」の声続出

また当初このアイデアは、生み出した企業だけが使える「実用新案」として出願していたそうなのですが、「シャンプー業界で統一しないと消費者が混乱する」と考えた花王は「実用新案」の申請を取り下げます。さらに、きざみが業界に広まるように働きかけ、現在ではほとんどのシャンプーにきざみがつくようになりました。きざみをつけることでシャンプーとリンスでそれぞれ違った金型が必要になるため、コストの問題もあったそうですが、消費者の声に応えるために業界全体で取り組み、普及に至っています。
 
このエピソードには、ネット上でも「あえて業界全体にアイデアを開放するとか、素晴らしい」「他のメーカーにも働きかけたっていうのは、消費者の事をきちんと考えてる証拠。企業の鑑だね!」「企業の利益よりユーザーの利便性を優先した姿勢には頭が下がる」と称賛の声が相次ぎました。
 
当たり前のように使われているシャンプーボトルですが、その細部には利用者に対する心配りがあったんですね。シャンプーをする際には、その企業努力に想いを馳せてみてはいかがでしょうか?

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