美容師の世界には、ヘアカットやパーマなどを担当する「スタイリスト」という役割がありますが、一口に「スタイリスト」と言っても美容師だけを指すわけではありません。中にはファッションのコーディネートを担当する人もいれば、服だけでなく化粧やヘアデザインのスタイリングを担当する人もいるんですね。
そこで今回は「スタイリスト」と呼ばれる様々な職業をご紹介。美容師のスタイリストを始め、ファッションスタイリストやパーソナルスタイリストなどの仕事内容やその職業に就く方法などを取り上げていくので、是非参考にしてみてください。
美容師のスタイリストとは
大抵のサロンでは美容師のランク制が取り入れられていて、技術力の違いによって「アシスタント」や「Jrスタイリスト」、「スタイリスト」といったランクに分けられています。まずは、あまり聞き馴染みのない「Jrスタイリスト」と「スタイリスト」の違いを見ていきましょう。
Jrスタイリスト
Jrスタイリストとは、見習い期間の「アシスタント」を卒業して、ヘアカットの技術がお客様を担当できるレベルになったばかりの人のことを指します。まだ指名してくれるお客様がいない状態なので、新規のお客様、特に子どもを担当して、一人前の「スタイリスト」を目指すんですね。この呼び名は美容師業界で使われるものなので、お客様との会話で登場することはありません。
スタイリスト
Jrスタイリストのカットスキルが上達して、パーマやカラーリングなどもお客様を担当できるレベルになると「スタイリスト」に昇進します。さらに指名数が増えて、ヘアサロンの売上で上位に入ると「トップスタイリスト」と呼ばれることもありますよ。誰もがカリスマ的なトップスタイリストになることを夢見て、練習を積んでいるんですね。
ファッションスタイリストとは
「スタイリスト」と聞いて、美容師以外に“服のコーディネート”のお仕事を想像した人もいるかもしれません。それは「ファッションスタイリスト」と呼ばれるもので、映画やテレビ番組など様々な媒体に出演するタレント・モデルの衣装を、その場面にあった仕方でコーディネートする職業ですね。現場には「髪」や「メイク」を担当する「ヘアメイク」がいるので、それ以外の衣装関係はファッションスタイリストが担当して、2人1組になってコーディネートを行うんですよ。
ファッションスタイリストになるには、服飾系の専門学校を卒業して、その後にスタイリスト事務所に就職することが一般的。特に取得必須の資格はありませんが、採用条件として「服飾系の専門卒あるいは在学中」と定めているところもあるので、まずは学校に入学することをオススメします。現場では専門用語、メイク、ファッション全般の知識があって当たり前。いくらセンスが良くても知識がなければ活躍できないので、学校に通っていた方が早い成長が期待できますよ。
美容師の業界と似ていて、ファッションスタイリストも見習い期間の「アシスタント」で3年から4年ほど働いてからスタイリストとしてデビューする人が多いようす。一般のお客様を相手にする仕事と違って、同じスタッフと仕事する機会が多くなるので、フリーに転身するためには多くの人に名前を覚えてもらうことも重要なようです。
パーソナルスタイリストとは
この職業は「ファッションスタイリスト」と似ていて、服のコーディネートをする人のことを指しますが、芸能人やファッションモデルではなく主に一般の個人を対象にしています。まだあまり多くの人に浸透した職業ではないですが、近年「個人向け」サービスの需要が高まっていることから、徐々にパーソナルスタイリストの仕事が増えてきていますよ。仕事内容としては、お客様の服の着こなしに関する悩みをパーソナルスタイリストが聞いて、アドバイスしたり、ショッピングに同行したりしてコーディネートを提案する、という形になります。
パーソナルスタイリストになるには、これも服飾系の専門学校に行くことが一般的で、卒業後はファッションスタイリストのアシスタントとして下積みをしてから、アパレル系の販売員&パーソナルスタイリストとして勤めている人が多いですね。ちなみに最近では、「パーソナルスタイリスト」になるための授業を開講しているスクールも登場しています。中には3カ月~4カ月という比較的短い期間で学べるスクールもあるので、調べてみるといいでしょう。
画像出典:bobbi vie / F.A.M.E. FW2011 : Alex Bauzon (from Flickr, CC BY 2.0)、Michael Dorausch / Paul Mitchell Hair Stylist (from Flickr, CC BY 2.0)、bobbi vie / F.A.M.E. FW2011 : Alex Bauzon (from Flickr, CC BY 2.0)