美容スペシャリストな自分になるために

更新:2019.03.27

作成:2017.03.13

美容師

練習時間は残業扱いになるの? 美容師が残業する理由や残業代について


 

おしゃれで華やかなイメージで子どもからも人気がある美容師の仕事ですが、実際に美容師になってみてその仕事の大変さに驚いたという人も多いようです。労働時間も長時間になることが多く、人気のサロンだと頻繁に残業が発生する場合もあります。

 

今回は、美容師として働く際に残業が発生する理由や拘束時間について、詳しく見ていきましょう。どこからが残業とみなされるのか、また残業代が付く場合や付かない場合などの実情についてもご紹介します。

美容師の残業について

美容師の勤務時間は他の仕事と同じで、フルタイムで8時間ほどが基本となります。お店の営業時間や雇用形態でも変わりますが、社員として働く場合はこうした勤務時間になることがほとんどです。それを前提として、朝早く出勤したり退勤時間を過ぎた勤務を行う場合が残業(時間外労働)となります。

 

残業が発生する主な理由としては、開店前の準備や閉店後の片付け、美容室に訪れるお客様の対応や施術、そして営業時間外で行う技術練習、技術研修といったものが挙げられます。美容師は接客業ですから、退勤時間を過ぎていても、お客様の予約状況や来店人数を見て必要とあればお店に残らなければなりません。また美容室によっては営業時間ギリギリまで入店を受け付けていて、閉店時間を過ぎても施術を行っているところもあります。

 

そして技術練習や研修は美容師の残業理由として最も多く、毎日お店に残って練習を続けているという美容師も多いんです。技術が未熟な新人はもちろん、勤務年数の長いベテランであっても、後輩に技術を教えるために一緒に練習しなければならないことも。練習はマネキンなどお店の設備を使って行うので、営業時間内では出来ません。閉店後の店内を借りて、遅いときでは日付が変わる直前まで練習をすることもあるようです。

 

閉店後の残業時間が長くなってしまうことを避けるため、開店前の時間に練習を行うサロンも増えてきました。一人前になるためにはそれだけ努力が必要ということですが、最近では残業時間を減らすために、練習を営業時間内に行うなど様々な対策を取り入れているサロンも増えてきています。

 

美容師の残業代はどうなってるの?

どの業界でも長時間の残業や残業代の未払いなどが問題になっていますが、美容師業界では、サロンによって残業の扱いに違いがあります。基本的に、施術や閉店後の掃除などの時間は業務命令で発生する残業なので残業代は支払われなければなりません。ですが、業務時間外の練習時間を残業としてみなすかどうかはサロンそれぞれの取り決めで異なってきます。

 

根本的な話になりますが、そもそも残業代が発生するのはお給料が固定給で支払われるサロン。固定給や固定給+一部歩合制として美容師を雇っているサロンでは残業代を支払わなければなりません。ですが完全歩合制のサロンは雇用契約ではなく業務委託契約となるので、その場合はどんなに長時間残業をしても残業代が支払われることはありません。もちろんお客様に施術を行えばその分報酬になるので、時間外労働がすべて無駄になるというわけではありませんよ。

 

新人研修や昇進試験へ向けての練習など、サロンが美容師に命じて店に残らせた場合は残業代が支払われなければなりません。ですが人件費削減のため、営業時間外の練習は自主的なものとみなして残業時間としてカウントしないサロンもあるそう。長時間サロンで練習を重ねたのに一切残業代が付いていなかった…と肩を落とさないためにも、練習時間の扱いについては働く前によく確認しておくといいでしょう。残業になるかどうかはともかく、スキルアップしたいと思った時は積極的に練習を重ねる必要があるもの。もちろん残業代がきちんと支払われるサロンもあるので、せっかくならきちんとお金をもらいたいですよね。

 

拘束時間が長い美容師の1日動き方

ではサロン勤務の美容師は、実際にはどんなタイムスケジュールで1日を過ごしているのでしょうか。基本的に美容師はお店の営業時間に合わせて働くもの。営業時間は首都圏と地方の店舗で違う傾向があり、首都圏ではお昼頃から22時頃まで、地方の店舗では10時頃から20時頃まで営業しているケースが多いようです。

 

まず美容師が出社するのは、サロンが開く30分~1時間前。開店前までの時間を使って掃除や開店準備、ミーティングなどを行っていきます。そしてサロンの営業が始まった後は、来店したお客様対応へ。休憩時間は決まっていないことが多く、サロンの接客状況に合わせて取るところがほとんどです。そのため予約が立て込んでいたり、お客様が多く来店する日はゆっくり休憩をとれないことも。お店の営業が終了するまで接客は続き、閉店後には店内の掃除やレジ締めをすることになるでしょう。サロンによっては終礼が実施される場合もあるようですね。

美容師に残業代が支給されるサロンも

美容師の仕事は拘束時間が長くなりがちで、仕事が厳しい業界というイメージを持たれることもしばしば。ですが最近では美容業界の中でも、労働環境を是正しようとする動きが起こっています。

 

美容師が働くサロンでは、従業員一人ひとりに施術のノルマを設けていることも珍しくありません。ノルマの内容は物販の「販売ノルマ」やカット人数だったりと様々ですが、それを達成するために早出や残業をする美容師もいるでしょう。また早く一人前になりたいと考える美容師は、勤務時間外までサロンで技術練習を行うことがあります。そうした状況に対して、勤務時間が増えるのを防止するために美容師のノルマをなくしているお店も増えています。さらに徹底しているところでは早出や残業も禁止にして、技術練習を業務時間内のみに限っていることもあるそうですよ。

 

また別のサロンでは従業員への残業手当を制度化して、1分単位で支給しているところも。そのほか、シャンプーやパーマの中和などをアシスタントに任せてチーム体制で接客し、なるべく残業を減らす取り組みを行っているサロンもあるようです。各サロンがそれぞれ違った取り組みで、労働環境の改善に取り組んでいるんですね。

 
画像出典:Offutt Air Force Base / 090521-F-7797P-004 (from Flickr, CC BY 2.0)

Author:美プロ編集部

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