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正社員より稼げるって本当? 美容師が業務委託で働く際のメリット・デメリット
最近では美容室の数が増え、その種類も1,000円カットやカラー専門店など多岐にわたっています。美容師の働き方も正社員やアルバイトに限らず様々な形があり、「業務委託」もその一つ。業務委託サロンは近年かなり増えてきているんですよ。
でも美容師の業務委託って、そもそもどんな働き方なんでしょうか? 今回は業務委託のシステムや仕事内容についてご紹介します。美容師から見たメリットやデメリット、お給料などの具体的な話から、業務委託で働く場合必ず行わなければならない確定申告の注意点なども見ていきますので、現在業務委託で働いているという人もチェックしてみてくださいね。
INDEX
■美容師の業務委託について
■業務委託のメリット・デメリット
■美容師の確定申告について
■美容師の業務委託と「面貸し」との違い
■業務委託で働く美容師の「保険」事情
美容師の業務委託について
業務委託というのは、社員やアルバイトとして雇用契約を結ぶのではなく、サロンと美容師がお互い事業主として取引を行う契約です。そのためお金も給料ではなく報酬として支払われ、支払われる金額も毎月決まった額ではなく売上から何割と設定された分が美容師の収入となるんですよ。
業務委託の場合は仕事があるとき、つまりお店にお客様がいるときのみ人件費が発生します。そのため雇用契約よりはるかに人件費を抑えられ、また契約も経験者を優遇するため新人研修やレッスンを行う必要もなくなります。業務委託サロンが増えてきているのは、経営する側のメリットが大きいという理由もあるんですね。
関連記事:美容師の経験者として働くということ
業務委託のメリット・デメリット
では、業務委託サロンで働く場合の美容師から見たメリット、デメリットにはどんなものがあるのでしょうか。まずメリットですが、業務委託の場合美容師は個人事業主として独立した立場に置かれるので、雇用契約を結ぶよりはるかに自由度が高くなります。具体的には、業務委託として働くと出勤日数や時間が自由となるサロンがほとんどなんです。指名の予約が入っているときや自分の都合のいい時に出勤して、あとの時間は好きに使えるというわけなんですね。また歩合率にもよりますが、正社員で働いていた時と同じ仕事量でも、業務委託の方が収入が増えたというケースもあるようす。集客さえできれば、確実に稼げる働き方なんですよ。
デメリットとしては、まず集客がなければ収入が得られないという問題が大きいです。これはカットの技術だけでなく、接客や宣伝など自分を売り込むスキルが高くなければクリアできない問題で、美容師を始めたばかりの人や接客に自信がないという人には不向きであると言えますね。また、雇用契約を結んでいれば社会保険に加入できて年末調整などもサロンを経営する会社が請け負ってくれますが、業務委託で働くとそのあたりの手続きもすべて自分で行うことになります。自分の仕事の責任はすべて自分で負わなければならないのが業務委託なんですね。
関連記事:業務委託とアルバイトの違いとは?
美容師の確定申告について
業務委託サロンで働くためには、まず美容師自身が個人事業主として開業届を税務署に提出しなければなりません。そして個人事業主となったら、確定申告は自分で行うことに。確定申告には青色申告と白色申告というものがあり、青色申告は手続きが複雑ですが、きちんと帳簿付けをすれば所得税の控除が受けられます。節税したい人は、きちんと必要経費を帳簿に付け、青色申告で提出するのがオススメですよ。
また業務委託で働く美容師が経費として申告できるのは、通勤交通費、消耗品、交際費、講習やセミナーの参加費などです。消耗品というのは、10万円未満もしくは使用可能期間が1年未満の物を指し、シザーやコーム、ブラシ、ドライヤーなどがこれにあたります。また、交際費というのは取引先やお客様と食事やお茶へ行った際の経費です。仕事に関係がある場合は交際費として計上できますので、領収書の裏に誰と行ったかなどをきちんと記入しておきましょう。
スキルアップのための研修やセミナーなどで使用した分も経費とみなされ、他店でカットやカラーを行った費用も、調査や研究のためとして経費にできることもあるようです。確定申告はネットや郵送でも申告できますが、税務署窓口へ行けば職員に相談をしながら書類作成することができるので、初めての人や慣れていない人は税務署で手続きするのがオススメです。
美容師の業務委託と「面貸し」との違い
面貸し(ミラーレンタル)とは、サロンの一部を借りてお客様へサービスを行うこと。サロンに対して、場所代として固定の金額を支払うのが一般的です。売上の多い、少ないに関わらず固定の金額を支払うことになるので、集客をしっかり行わないと赤字になってしまうことも。報酬は完全歩合制で雇用保険などもないため、雇用契約を結んでサロンで働く場合と比べると収入は不安定だと言えるでしょう。
業務委託も面貸しも、サロンと1対1の独立した事業主として取引契約を結ぶという点は同じ。ですが、業務委託の場合は売上や顧客がサロンに帰属するのに対して、面貸しの場合は美容師に帰属することになります。そのため集客についても業務委託の場合はサロンが行ってくれますが、面貸しだと全て自分で行わなくてはなりません。
しかし面貸しという働き方には、メリットも沢山あります。まず報酬や働く時間を自由に設定できるので、自分のペースで働きたい人にはうってつけ。また通常のサロンではカット、洗髪などサービスごとに担当者が入れ替わることもよくありますが、面貸しでは最初から最後まで全て自分が担当することで、お客さんの満足度を上げることができるでしょう。そして業務委託と比べて自由度が高く、全てのことを自分一人でこなすというのも大事なポイント。経営感覚を身につけられるので、将来的に自分のお店を持つことを考えている人にとってはピッタリの働き方だと言えるはず。
業務委託で働く美容師の「保険」事情
サロンと雇用契約を結ぶと、社会保険などの手続きは全てサロンがおこなってくれますよね。しかし業務委託で働くというのは、個人事業主になるということ。基本的に雇用・労災保険が適用されないので、働いている時に生じる様々なトラブルが自己責任になります。しかし多くのサロンでは「美容所賠償責任補償制度」のような、お客さんに損害を与えた際に補償を受けられる制度に加入しているもの。トラブルが起こっても何の補償も受けられない、というケースは少ないでしょう。さらに個人的に加入できる美容業専門の保険もあるので、加入を検討してみるのもいいかもしれません。
画像出典:Mainstream / Behind the Scenes with Aveda™ – Public School SS14 – Mercedes-Benz Fashion Week New York Spring Summer 2014 – #MBFW #NYFW – September 8, 2013 – Creative Commons (cc) photos distributed by Mainstream via Aveda Corporation (from Flickr, CC BY 2.0)、bobbi vie / F.A.M.E. FW2011 : Alex Bauzon (from Flickr, CC BY 2.0)、bobbi vie / F.A.M.E. FW2011 : Alex Bauzon (from Flickr, CC BY 2.0)
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