セラピストの中でも、人気のある職業・アロマセラピスト。現在では、よく知られている職業ですが、日本ではいつ広まったのでしょうか?
今回は、アロマセラピーの歴史についてご紹介します。
アロマセラピーの歴史
アロマセラピーの歴史は意外と古く、古代エジプト時代までさかのぼります。
紀元前3000年頃のエジプトでは、香りは「神様への捧げもの」と考えられており、儀式や病気の人への薬として香りを焚いていました。
特に神様への儀式の際には、時間によって香りが変化し、朝はフランキンセンス、昼はミルラ、夕刻はキフィ(16種ブレンド)が使われていたそう。特にミルラは、ミイラ作りのときに使われていたようです。
中世ヨーロッパ時代になると、植物から精油を取り出す「蒸留」の技術開発が進みます。芳香蒸留水を医学に応用する流れも生まれ、フランスで生まれた香水「オーデコロン」はもともと胃薬としても使われていたそうです。
現在のアロマセラピーの形が確立されたのはイギリス
20世紀に入り、イギリスでは心と体のバランスを整えて健康促進するというアプローチで研究が進められました。
精油を薄めてマッサージを行う手法もこの頃に確立したそう。ロバート・ティスランドという学者が「芳香療法・理論と実際」という本を1978年に出版し、アロマセラピーを学問として体系的に整理したことで、大衆からの信頼と認知を獲得していきました。
日本へのアロマセラピーの普及の歴史
日本においては、古代より仏教の儀式の中で祭壇にお香を炊いたり護摩(ごま)を焚いたりしていたのが始まりとも言われています。
源氏物語の中では、毎日お風呂に入る習慣がなかった当時の貴族達が香を焚いて体臭をごまかしていたとの記載も。
その後お香を使う文化は大衆化され、寒い時期にはゆず湯や菖蒲湯に入ると日常化されていきました。
また、古代中国で発展した「漢方」の歴史が日本に伝来してきたことにより、アロマが広まったという説もあります。
特殊な植物のエキスを服用・塗布して病気の治療に当てるほか、室内に置いて香りを出すことで効果が得られると考えられていました。
現在では、漢方は香りとしてではなく、服用を中心とした治療が中心となっており、日本では漢方・薬膳検定も存在しますよね。
近年のサロンでのアロマセラピーや、マッサージオイルとしてエッセンシャルオイルを使う技術は、前述したイギリスで確立された技術が元になっています。
日本のアロマセラピスト検定はイギリスで確立された技術をもとに作成されており、サロンでセラピストが行う施術や使用するオイルもイギリス産のものが王道になっています。
歴史を知って楽しみが理解できる
アロマセラピーの歴史は意外と長いです。しかし、歴史を知ることでもっとアロマセラピーを楽しめるのではないでしょうか。