あなたは青く澄み渡った海や燃え上がるように赤く染まった夕焼けの空の色をみて、思わず見とれてしまったことはありませんか? その後は何だか心がスッキリして、「明日からまた頑張ろう!」って思えることもありますよね。
このように、「色」というものが人の心身に与える影響に注目して、作り上げられたのがカラーセラピーという治療法。「色」を使ったカウンセリングによって、クライアントの内面世界と向き合い、さらにクライアントにとって必要な色を提示する…。カラーセラピーは、そうした独自の方法によってクライアントを癒しへと導く方法なのです。
なぜカラーセラピーは生まれたのか?
カラーセラピーで用いられるのは文字通りの「色」。まずはクライアントに好きな色を選んでもらい、セラピストは心理学をもとに、その色にどんな意味があるのかを読み取って、カウンセリングを進めていくのが基本的な流れ。セラピストはカウンセリングの中で得た情報をもとに、今のクライアントにどんな色が必要なのかを考え、提案します。
このように、色を用いたカウンセリングが特徴の「カラーセラピー」は、別名を「色彩療法」とも言われています。色彩療法は、現代のストレス社会で起こったヒーリング・ブームのなかで、人の深層心理に働きかける療法として注目されているのです。
とはいえ、カラーセラピーの起源は大昔。昔から色というものが人の心や身体に影響を与えるということが信じられていました。そして19世紀に開拓された心理学の中の、「色彩心理学」の考え方がカラーセラピーのベースに。現在では、心理学やスピリチュアルな観点を総合的に組み込んだ治療法として、さらなる発展を遂げています。
いろんな種類のある、カラーセラピーの方法
では、実際カラーセラピーはどんな方法で行われるのでしょう? カラーセラピーで使用されるのは、色のついた精油やハーブエキスの詰まったガラス瓶、カラーボトルなどです。セラピーの種類によって異なりますが、まずはクライアントが何種類もあるカラーボトルの中から、そのときの自分に合った色を選ぶところからスタート。
カラーボトルに詰まった液体の色には、象徴的な意味づけがされています。セラピストが行うのはその色に込められた意味を読み取って、クライアントの深層心理に迫ること。たとえば赤は情熱やエネルギー、青は理性や静寂といった意味が含まれているので、クライアントが選択した色の意味や、なぜこの色を選んだのかなどを考えていきます。
なお、一口にカラーセラピーといっても、様々な種類があり、用いられるカラーボトルや色の意味合いもさまざま! ここでは代表的な3つのカラーセラピーについて、ご紹介しましょう。
オーラソーマ
1980年代にイギリスで発明されたカラーセラピー。上下二層に色が分かれたカラーボトルを使って、107本のうち4本のボトルを選んで行う治療法です。4本のボトルには、その人の現状や未来の可能性、人生の目的といったものがそれぞれ反映されると考えられています。
アヴァターラ
オーラソーマから派生したカラーセラピーで、52本ものカラーボトルを使用します。オーラソーマと同じように、ボトルの色は上下二層に分かれていますが、選ぶ本数が決まっていないのが特徴。好きな色を好きなだけ選んでもらい、クライアントの今の状態についてカウンセリングします。
センセーションカラーセラピー
カナダで発明されたカラーセラピー。10色のアロマオイルの中から6本を選択。選んだ6本の並べ方で「過去」「現在」「未来」についてカウンセリングを行います。選ばれなかった色にも注目し、カウンセリングを行うベーシックな治療法。
カラーセラピストを目指したいけど、何を勉強したらいいの?
カラーセラピーはまだまだ開拓中の分野で、国家資格などはありません。そのため、カラーセラピストの多くが、民間資格を取得。カラーセラピーについて勉強できる場所は、セラピストスクールや通信講座などがあります。
日本のカラーセラピストの資格で代表的なのが、日本アロマメディカル心理セラピー協会の「カラーセラピー認定試験」や日本能力開発推進協会(JADP) の「カラーセラピスト資格」など。どちらも協会指定の教育プログラムを受けていることが受験資格になっており、そのうえで在宅での筆記試験を実施。カラーセラピーの知識が十分にあると認められれば、資格を取得することができます。
普段の生活の中でも、「色」は私たちにとってとても身近な存在ですよね。気分を変えるためにいつもは着ない色の服を着てみたり、綺麗な色のアクセサリーをつけたり…。でも、どんな色にすればいいのか、どの色なら気分が上がるか、分からない時はカラーセラピストに相談! もしかしたら、自分では気付いていない深層心理を知ることができるかもしれませんよ?