たくさんのお客様を癒すセラピストに憧れているけれど、経験も知識もないから働けない…?いえいえ、そんなことはありません!実は独学からでも十分に目指しやすいのが、セラピストの仕事。実際、未経験から入社して働いている先輩セラピストも数多く存在していますよ!
今回の記事では、独学でセラピストになるための勉強内容や勉強時間、独学のメリットなどをご紹介していきます。
INDEX
■独学でも目指しやすい理由は?
■独学でセラピストになるために勉強すべき内容
■独学でセラピストになるために必要な期間
■独学で取得できる、セラピストの資格
■独学でセラピストになるメリット・デメリット
セラピストは独学でも目指しやすい!その理由は?
国家資格が存在しないから
美容師や理容師と異なり、ほとんどの場合セラピストの仕事は国家資格を持っていなくても働くことができます。そのため、未経験からでも挑戦しやすい職種と言えるのです。実際にセラピストとして働く先輩の中には、元美容師や元ネイリスト、元飲食店勤務といった経歴を持つ人もたくさん!施術スキルをまったく持っていなくても、やる気や接客力があれば挑戦しやすい仕事と言えるでしょう。
ただ、「美容鍼」や「あん摩マッサージ」といった、国家資格を持っていなくてはできない施術も一部あるので注意をしてくださいね。
各サロンで独自の研修を設けていることが多いから
セラピストの施術には「必ずこうしなくてはいけない!」という決まった形式がないので、サロンによってまったく異なるメニューや手技を導入しています。セラピストとしてどれほど長い経験があっても、そのサロン独自の新しいメニューを覚える際にはもちろん研修が必要になりますよね。
そのため、短期間で技術や知識をしっかり習得できるような研修制度を用意しているサロン・企業が多いのです。経験0の状態でもしっかり受け入れてくれるサロンも多いので、安心して飛び込める環境ですよ。
仕事内容が幅広いから
一概に「セラピスト」と言っても、その活躍の場は多岐にわたります。たとえばホテルスパでオールハンドのマッサージをするリラクゼーションセラピスト、効果的な色を選んで疲れた心を癒すカラーセラピスト、食事療法によって心と体の健康を考えるフードセラピスト、香りに効果によって疲労回復やストレス緩和を目指すアロマセラピストなど。
仕事内容が幅広い分、自分に合った仕事や興味のある仕事を見つけやすいのです。
関連記事:【施術別】セラピストの種類を徹底リサーチ
独学でセラピストになるために勉強すべき内容
身体の構造
マッサージを用いて身体の不調を改善していくことがセラピストの役割。そのため、人の身体の基本構造を心得ておく必要があります。どことどこの筋肉が繋がっているのか、身体のある箇所が痛む場合にどこが不調なのか、正しい姿勢はどうあるべきか、などなど。
普段生きているだけでは絶対に知り得ないような身体の仕組みも、セラピストとして働きたいのならばしっかり勉強しておきましょう。お客様から質問をされた時にしっかり答えられると、信頼をしてもらいやすくなりますよ。骨格や筋肉の付き方は男女によっても大きくことなるので、男性と女性どちらの身体の仕組みも知っておきたいですね。
- 身体の各部位の名称や機能
- 各神経の働き(交感神経・副交感神経)
- 筋肉の付き方と動き方
- 骨の構造
- 身体のツボ
- 神経や皮膚の仕組み
- 身体の不調時に必要な栄養分
これらは「解剖生理学」とも呼ばれ、看護や栄養系の大学・専門学校でも学ばれる分野です。セラピストの仕事は看護師や管理栄養士とはまた異なりますが、身体の不調を改善していくという点では通ずるところがあるのです。
心の仕組み
身体の調子だけでなく、心の調子も整えていくのがセラピスト。サロンに来店されるお客様の中には、心のストレスによって身体に不調をきたしている方も多く存在します。そのため、マッサージによる施術だけではなく、色や香りなどを使って心にも働きかけていくことが大切になるのです。人の心がどんな時にストレスを受けて、どんな風にそのストレスを解消していくことが大切なのか、これらについてもしっかり学んでおく必要があります。
- メンタルヘルス
- 心の投影方法
- カラーセラピー
- 音楽療法
- 呼吸によるリラックス方法
- 心と体のつながり
心の仕組みと言うと少しスピリチュアルなイメージがあるかもしれませんが、実際に心の仕組みを利用して施術を行っているセラピストは数多く存在していますよ。
施術に関する知識
身体の基礎知識を学んだら次は、実際にどんな施術の種類があるのか・どんな症状の時にどの施術を選択すれば良いのかといった、より実践的な知識を勉強しましょう。ただ、マッサージ等の手技に関してはサロンによって異なるため、細かい施術方法は就職してからでOK!
- マッサージの種類
- マッサージを行う目的や手技
- 施術を行う際の衛生面や安全面について
- 施術で使用するアロマオイル(精油)の種類と役割
- マッサージ後のアフターケアの方法
- カラーセラピーにおいて色がもたらす効果
正しい接客方法や言葉使い
接客業であるセラピストの仕事では、お客様への正しい言葉使いや気の利いたサービスがとても重要。そのため、施術に関する内容だけではなく、サロンで働いていく上で実際に使っていく接客方法の勉強をする必要があります。以下に挙げた4つのポイントをさらに細かく項目分けして毎日見る場所に貼っておき、1つ1つチェックをしながら実践していきましょう。
- 身だしなみ
- 服装や髪型、メイクがサロンの雰囲気と合っているか
- 言葉使い
- 丁寧で正しい言葉使いができているか
- 表情
- お客様の目を見て、笑顔で応対できているか
- 姿勢と態度
- お客様に不快感を与えるような姿勢や態度をとっていないか
また、ホテルスパや観光地のサロンであれば海外のお客様を接客することも多いはず。そんな時に、最低限必要な接客英語や単語を覚えておくとスムーズに施術を進めることができますよ。肩や頭、腰といった身体の部位であったり、「いらっしゃいませ」「本日担当する〇〇です!」「またお待ちしています」といった簡単な挨拶文もマスターしておきたいですね。
関連記事:セラピストの接客の心得とは
独学でセラピストになるには、どれくらいの期間が必要?
どれくらいの期間勉強をすればセラピストとして働ける、と正確に決まってはいません。ただ、「まったくの未経験者で、セラピストに関する知識も0」という状態でサロンに就職すると先輩たちにも迷惑がかかりますし、何より自分自身が仕事についていけなくなってしまいます。
身体の構造や心の仕組みに関する本を読みながら1日1時間の勉強を2~3か月程度続け、基礎知識を頭に入れてから就職活動を行いましょう。試験自体は受けないとしても、検定試験のテキストを購入してそれを勉強しても良いですね。
技術の修得に関しては独学だと限界があるので、ある程度の知識をつけたら実際に働きながら技術を磨いていく流れでOK!
「未経験歓迎」というサロンであれば、1からしっかり技術研修をしてくれるところが多いので、そこは安心して飛び込んでも良いでしょう。
独学で取得できる、セラピストの資格一例
資格を取得するということは、自分の知識や技術の証明にもなります。セラピストとして働くに当たり資格取得は必須ではありませんが、「経験はなくてもやる気はしっかりあります!」とサロンにアピールするためにも、独学で取得できる資格を1つでも持っておきたいですね。
・アロマテラピー検定
公益社団法人日本アロマ環境協会(AEAJ)が実施している民間資格。アロマテラピーを行う上で必要不可欠な精油の知識などが身に付きます。趣味でアロマを始めたい人からビジネスでアロマを導入している人まで、幅広い層が受験している検定試験。
・リラクゼーションセラピスト認定試験
一般社団法人日本リラクゼーション業協会が実施する、リラクゼーションに関する唯一の認定試験です。リラクゼーション業の定義や基本的な用語の意味といった内容が出題され、合格することでセラピストとしての就職にも役立つ資格です。
・整体ボディケアセラピスト
一般財団法人日本能力開発推進協会が実施する、ボディケアに関する民間資格。筋肉の仕組みや骨格の構造といった身体の基礎知識を学ぶことができます。セラピストをはじめとした美容業界だけではなく、医療や福祉関係の人にも人気の高い資格試験です。
・カラーセラピー資格検定
日本メディカル心理セラピー協会(JAAMP)が実施している民間資格。カラーセラピーとは、色の生理的効果や心理的効果を学び、心身のバランスを整えることを目的とした療法です。色の効果や活用方法などが学べて、自宅で受験をすることができるため女性に人気の高い資格です。
・メイクセラピー検定
心理カウンセリングの手法を取り入れた、メイクセラピーに関する民間資格。一般社団法人メイクセラピストジャパンが実施しています。メイクアップに必要なメイク理論や色彩学、心理面のアプローチに必要な心理学やコミュニケーションについて学ぶことが出来る検定試験です。
セラピストの民間資格はここに挙げた以外にもたくさん存在するので、自分が働きたい施術内容や興味のある分野に関する資格を探してみましょう!
独学でセラピストになるメリット・デメリット
続いては、独学でセラピストになる際のメリットとデメリットをご紹介します!自分が独学に向いているのかどうかをしっかり見極めてくださいね。
メリット
・別の仕事をしながら勉強が出来る
独学であれば、学校に通うのと違って、いつでも好きな時に勉強をすることができるという点が最大のメリットでしょう。今は別の仕事をしている人でも、子育て中のため外に出られない人も、無理なく自分のペースでセラピストを目指すことができます。働きながら空いた時間に勉強して、ある程度の知識がついたら転職活動に踏み出しても良いですね。
・授業料や交通費が掛からず、安価に勉強が出来る
セラピストの学校に通うとなると、安くても10万円程、高いと100万円近い費用が必要になってきます。たとえ働きながらであっても、そこまでまとまったお金を払って勉強をするとなるとリスクが大きいですよね。その点、独学であれば必要な費用は数冊のテキスト代のみ。高くても数万円程度の費用で勉強をすることが出来るのです。
・通学時間がいらない
学校に通う場合には、どうしても通学の時間というものが発生します。自宅の最寄駅から近いと言っても、やはり勉強するために電車に乗って学校に向かうというのは負担になりますよね。その点独学は、テキストがあれば自宅でも通勤途中のカフェでも勉強をすることができます。通学に掛ける分の時間を勉強にまわすことが出来るのは、大きなメリットと言えますよね。
デメリット
・分からないことがあってもすぐに質問ができない
学校であれば、分からないことがあった時にはすぐ講師の先生に質問をして解決することができます。ただ、独学の場合にはそうはいきません。分からないことがあればインターネットを使って調べたり、知り合いのセラピストに連絡を取って質問をするという方法で解決をしなくてはなりません。分からない箇所があるとそこで勉強が一度止まってしまうので、その場ですぐに解決できないというのは独学のデメリットでしょう。
・途中で諦めてしまう人が多い
今の仕事と並行して勉強したり、家事や育児と並行して勉強したりといった場合には、どうしても途中で諦めて勉強をやめてしまう人も一定数存在します。近くに叱咤激励してくれる先生や一緒に頑張る仲間がいないので、心細く感じてしまうことも多いのです。
もし勉強を続けるのが困難だと思ったら、無理して続けるのではなく、思い切って勉強から離れてみるのも良い手ですよ。一度離れてもまたいつでも再開できるというのが独学のメリットでもあるので、「やっぱりセラピストになりたい」と思った時にまた再開してみましょう。
・実践的な技術を学ぶことができない
テキストやDVDを使って勉強をすれば、技術面でもある程度の知識を得ることはできます。ただし、実践をしてみないことにはやはり学んだ技術が生かせるかどうかは分かりません。学校であれば実技の授業もあり、生徒たちがお互いの身体を使って施術をし合うこともできるので、自分の技術を確かめられないという点はやはりデメリットですね。
その場合は、勉強をしながらアルバイトとしてサロンで働くのも良い解決方法になるでしょう。基礎知識はテキストで学び、実践的な技術はサロンで学ぶ。こうして使い分けることで、独学でも技術を身に付けていくことは可能ですよ!
未経験から知識を身に付け、憧れのセラピストへ
ここまでご紹介してきた通り、独学でもセラピストとして働くことは十分に可能です。ただし、お客様の身体や心の不調を改善していくという仕事のため、何となく楽しそう・お金持ちとの出会いが多そう、といった軽い気持ちで始めることはNG!人の身体や心に関わる仕事ということは、中途半端な施術をすればその分大きなトラブルに繋がりかねません。
セラピストの語源である「セラピー(therapy)」の意味は、治療。投薬や手術をせずに心と身体を治療していくことができるのは、セラピストの仕事の大きな魅力ですよね。
ぜひ、自分がセラピストとしてどんな風に成長していきたいのかという目標をしっかり持った上で勉強に励んでください。テキストである程度の知識を得たら、実際に「未経験者OK」と謳っているサロンでアルバイトをしてみても良いでしょう。憧れのセラピストへの第一歩を、今年こそ踏み出してみては?