アロマサロンやリフレクソロジーサロンなど、セラピストが働くサロンでは「歩合制」を取り入れているところが多くあります。歩合制にもいくつか種類があり、同じメニューや料金設定のサロンでもセラピストの収入に大きく差が出てくるんです。
今回はセラピストの歩合制について、契約形態による給与システムの違いや歩合率の相場などを具体的に見ていきましょう。働く場合だけでなく、歩合制サロンを経営する際のメリットについても紹介するので、独立や開業を考えている人はぜひ参考にしてみてくださいね。
セラピストの歩合制
歩合制とは簡単に言えば、施術を行った分だけ収入がアップするシステムのことです。歩合制には大きく分けて2つの種類があります。
- 一部歩合制
基本となる固定給に、自分の売上のうちから何割かが上乗せされるシステム。 - 完全歩合制
基本給がなく、完全に自分の売上のみが収入となるシステム。
一部歩合制の場合、セラピストはサロンと雇用契約を結んで従業員となりますが、完全歩合制の場合は雇用契約が結ばれず、セラピストはサロンから仕事を請け負う「業務委託」という形で働くことがほとんど。業務委託としてセラピストを募集しているサロンは、未経験をあまり採用していないので、「未経験だけど働きたい」という場合はまず一部歩合制のサロンで働き始めることをおすすめします。
なお、業務委託という契約で働く場合、セラピストは「個人事業者」という立場になります。お店に出る前の研修期間などは設けられていますが、サロンデビューしたら施術はすべて自分の責任のもとで行わなければなりません。セラピストはお客様とかなり距離が近いお仕事になりますから、接客やコミュニケーション能力、またトラブルなどが発生した際の対応力なども必要になってくるんですね。
歩合制の収入について
具体的な歩合率についてですが、完全歩合制では売上の40~60%ほどがセラピストの報酬となるよう設定されている場合と、1時間2,500~4,000円と施術した時間によって報酬額が決まっている場合の2パターンがあります。
また、施術に対する報酬のほかに指名を受けた際の指名料が付く場合も。指名料はすべてセラピストに入るというサロンもあるんですよ。完全歩合制は一部歩合制より歩合率が高めに設定されていることが多くあります。
集客力のあるサロンでは、完全歩合制とあっても一カ月の最低賃金分は給料が出るような給与保証制度があります。全くお客様を担当することが出来なくても、収入が0という事態を避けることが出来るんですね。最初のうちは指名をもらえるまで時間がかかりますから、こういった制度のあるサロンなら安心して働くことが出来ますよ。
歩合制サロンを経営するメリット
そもそも、なぜ業界では歩合制のサロンが多くなっているんでしょうか? その理由としては、経営する際のメリットが大きいということが挙げられます。サロンを利用するお客様の数は時期や天候などでばらつきがあるため、サロン全体としても毎月安定した売り上げを出せるわけではありません。そのため固定給を支払うよりも、サロンとしての負担が少なくなる歩合制が一般的となっているんですね。
また、業務委託契約の場合には予約を受けてからのお客様への対応などもすべてセラピストに任せる形になります。雇用契約を結ぶよりも、経営者の負担を減らすことが出来るんですね。
また、歩合制のサロンでは経験や勤務歴よりセラピスト個人の実力が重視されます。セラピストを選ぶのはお客様ですから、経歴はほとんど関係ありません。新人であっても実力さえあればたくさん指名をもらえることになるので、セラピストのモチベーションに繋がるんですね。頑張った分だけ収入につながるということで、仕事にやりがいを感じて働いている人が多いのも歩合制サロンの特徴です。
画像出典:WorldSkills UK / Squad Selection WorldSkills Sao Paulo 2015(from Flickr, CC BY 2.0)、leesean / Thai Massage with Al Turner (from Flickr, CC BY 2.0)、Golf Resort Achental Team / Kräuterstempel Anwendungen Beautyfarm SPA Golfresort Achental (from Flickr, CC BY 2.0)