美容スペシャリストな自分になるために
作成:2020.08.20
ヘアセットに必要な道具とは!?練習から実践までこれがあれば大丈夫!
結婚式のお呼ばれやイベントなど、ヘアセットをしてから出かける人が多いですよね。洋装や和装に合わせてヘアセットの内容は変わりますが、ヘアセットサロンで働く美容師さんやヘアメイクさんの手に掛かればいとも簡単に仕上がってしまうのです。
ヘアセットを専門とするサロンが増えている事もあって、そこで働きたい!と思う人も多いのではないでしょうか。そこで、ヘアセットの練習や実践で使用する道具をご紹介します!道具の種類や用途をご説明しますので、参考にしてみてください。
INDEX
■逆毛づくりやブロッキングに最適な「コーム」
■髪を梳かす「ブラシ」は3種類
■ブロッキングなど髪を挟んで固定する「ダッカール」
■ヘアアレンジのベース位置で髪を結ぶ「ヘアゴム」
■ヘアアレンジで髪を固定する「ピン」
■熱を使って髪をクセづける「ヘアアイロン」
■仕上がりを長持ちさせるための「スタイリング剤」
■ヘアセットの練習に必ず必要な「ウィッグ(マネキン)」
逆毛づくりやブロッキングに最適な「コーム」
ヘアセットの基本中の基本!ブロッキング。正しい位置でしっかり髪の毛をブロック分け出来ていないと上手に仕上がらないのです。「ブロッキングがそんなに大切なの?」と思ってしまう所ですが、きちんとコームのテールを使って髪の毛を分けて行きましょう!
また、髪の毛のボリュームを出すために逆毛を立てているのを一度はみた事があるのではないでしょうか。ヘアセットを既に勉強している人は知っている技法かと思います。そんな、逆毛を立てるのに髪質に合わせてコームを変えていく必要があるのです。コームひとつを取っても様々な種類と用途があるので、使い方を間違えないようにしてくださいね。
プラスチック+テールステンレス製のコーム
逆毛を立てることを目的とするならば、このコームが最適です。刃の部分が密度細かく出来ていてプラスチック素材を使用しています。そして、テール部分はステンレス素材で硬さとしなり具合のバランスが良いのが特徴。
「適当にコームを買ってみたけど、逆毛を上手く立てられない…」という場合には、そのコームが適していないという事も。そんな時は、プラスチック+テールステンレスのコームを使ってみて下さい。ただし、刃の密度が細かいものは消耗が早く、刃が欠けやすいのも特徴。コームを床に落とす事のないように、丁寧に扱いましょう。
プラスチック製のコーム
柔らかい毛質の人の逆毛を立てるのに適しているコームが、プラスチック製のもの。刃とテールのどちらもプラスチックで出来ているため、コーム自体とても柔らかくよくしなるのが特徴です。
コームが柔らかい分しっかりと逆毛を立てたい時には、根元にコームを押し込む力は弱めでOK。100円ショップなどでもよく見かけるので、手軽に購入できるのではないでしょうか。
カーボン製のコーム
硬い毛質の人の逆毛を立てるのに適しているコームが、カーボン製のもの。カーボン素材で出来ているコームはとても硬くあまりしなりません。毛質が硬い人は逆毛が戻りやすいため、カーボン製のコームでしっかり根本に押し付けます。
プラスチックの刃を強く押し付けてしまうとコームが折れてしまう可能性があるので、そんな時にカーボン製のコームが役立ちます。耐久性が高く壊れにくい分ブロッキングする際には、頭皮に強くあたってしまう事のないように注意しましょう。
髪を梳かす「ブラシ」は3種類
ヘアセットで使用するブラシは主に3種類あります。髪を梳かす事を目的としているものや整髪剤をなでるものまで。その他にも、カールの調整を行うものもあり、どんなヘアセットにも対応できるように全て揃えておきましょう。
ヘアブラシは、ヘアセットの仕事をしていない人も持っているであろう物なので馴染みがありますよね。髪の毛を梳かすだけでなく、髪の毛に付いたほこりや汚れを落としてくれるという優れものなのです。
また、ブラシ部分の材質には、樹脂で出来ているものや天然毛(動物性)を用いているものもあります。樹脂の特徴としては、熱伝導率が高くて水分や薬剤にも強い。天然毛の特徴は、水分と油分を含んでいるので静電気が起こりにくい。そして、繰り返し使用する事で髪にツヤを出してくれるとも言われています。ヘアブラシに使用している天然毛には、猪の毛と豚の毛で出来ているものが多く、それぞれ際立つ特徴を持っているので実際に使ってみてから購入すると良いでしょう。
クッションブラシ
クッションブラシは、ヘアセットを行う前に髪の毛の絡まりを取り除くためのブラシです。クッションブラシはその名の通り、ブラシの中にクッション素材が入っています。クッションが入っている事で、頭皮へのあたりが柔らかくマッサージ効果も得られるのです。
また、髪の毛が柔らかくボリュームを出したいという時にもクッションブラシがおすすめ!ブラッシングする事でボリュームを出しつつ、髪の毛をまとめられるという万能ブラシなのです。
ロールブラシ
ロールブラシは、ブローをしながらカールを付けるためのブラシです。ホットカーラーでカールを作った後にカールの調節を行い、前髪のセットにも使えます。前髪を立ち上げたり毛流れを作ったりとヘアセットには欠かせないブラシと言えるでしょう。
ロールブラシを使ったセットは、基本的にドライヤーと一緒に使います。髪にカールを付ける際に、ヘアアイロンで巻いて行くよりロールブラシでカールを付ける方が髪へのダメージも少なくなりますよ。
仕上げブラシ
仕上げブラシは、髪を梳かすというよりもワックスやポマードなどの整髪料をなでるといった使い方をします。ブラシの先端に整髪料を少量付けて、もみあげ部分やうなじなどの毛を落ちないようにコーティングします。
仕上げブラシは天然毛で出来ている物がほとんどで、髪なじみが良くツヤを出してくれるのです。普段の生活ではあまり使う事のないブラシですが、ヘアセットを行うヘアメイク業界では常用されていてなくてはならないブラシです。
関連記事:コームとブラシの違いってなに?
ブロッキングなど髪を挟んで固定する「ダッカール」
ヘアセットの際や、美容室で髪を切る際に必ず登場するのがダッカールですね。髪に跡が付きにくく、ヘアスタイルを上手に仕上げるために必要なブロッキング時に、髪を挟んで固定します。
ダッカールは、ヘアクリップとも呼ばれてさまざまな形のものが販売されています。ヘアセットで使用するダッカールは3種類。ダッカールをお客様の前で落としてしまうと、その場では使えなくなるので、1回のヘアセットで足りなくならないように多めに購入しておくと良いですよ。
ダッカール
ダッカールは、一般的なヘアクリップで100円均一でもよく見かけるでしょう。このダッカールは、挟む力は割と強めですが一気にたくさんの毛量を留めようとすると落ちて来てしまう可能性があります。
ダッカールは、髪の毛が柔らかい人や少量の毛を留めるのに一番使い勝手が良いのです。商品によって若干バネの力が変わりますので、ブラシ同様使ってみてから本数を多く購入すると良いでしょう。
ワニクリップ、クロコダイルクリップ
ワニクリップは、毛を挟む部分がワニの口のようにガタガタとした形になっています。この形状こそが、毛量を多く挟むための構造なのです。
美容室でのカットでは、あまり使われることがないので見た事がない人が多いかもしれません。しかし、何度も落ちて来てしまう髪を一度でしっかり挟めるダッカールなので、何本か持っておくときっと役に立ちますよ。
ダッカール(プリンス型)
プリンス型のダッカールは、ブロッキングなどで使用するダッカールとは異なり、面で作るヘアスタイルや和髪を作る際に使用します。ヘアセットの終盤、整えた面をピンで留めていく前にプリンス型ダッカールで仮留めしておきます。
完成に近づいたヘアスタイルを崩さないよう、挟む力は若干弱く挟む部分も平らな構造で跡が付かないようになっています。少量の毛しか挟めないようになっているので、ブロッキングには向いていません。
関連記事:美容師のダッカールの様々な使い方
ヘアアレンジのベース位置で髪を結ぶ「ヘアゴム」
ヘアセットで使用するヘアゴムは、極力目立たないようになっている細めのゴムです。髪を留めるための結び方にも特徴があります。
通常、ゴムで輪っかを作ってから結んで行きますが、ヘアセットでは1本の長いゴムを髪に巻き付けて結ぶようにします。固定したい位置をずらすことなく結べて、外す時も楽に取れるようになっているのですね。
紐ゴム
ヘアセット用の紐ゴムは、黒いものや茶色いものが主流です。髪色に合わせて目立たないように結んでいきます。長いままで売られているので、好み長さに切って使用します。
毛束にきつく紐ゴムを巻き付け、ゴムの端同士を結ぶ時は2回転させてから引っ張るようにして結びます。ゴムを2回絡ませる事によって、しっかり固定する事が出来るのです。
ヘアアレンジで髪を固定する「ピン」
ヘアセットで使用するヘアピンを紹介します。普段から、馴染のあるヘアピンもあれば使い方すらわからないものもあるでしょう。様々なヘアスタイルを作り上げていくには、それなりに使う道具も必要だと言う事なのですね。
アメリカピン、アメピン
アメリカピンは、誰しも一度は使った事があるのではないでしょうか。アメピンとも呼ばれ、短い毛をピンで留めておさえる事も出来るし、お団子ヘアなどのまとめ髪を固定して作る事も出来るのです。
ピンの挟む力が強いため、基本的にどこにでも使う事が出来る優れものです。少量の毛をねじって留める事も出来るので、簡単なヘアアレンジとしても使われています。
スモールピン
スモールピンは、アメリカピンを小さくしたものです。挟む力は、アメリカピンより弱く留められる毛の量も少なくなります。
しかし、アメリカピンだと目立ってしまうような時にスモールピンが活躍します。ヘアセットをする時は、ヘアゴムもピンも目立たないようにセットするのが基本です。ピンを留める場所によって使い分けが必要になるのですね。
Uピン、ネジピン、オニピン
Uピンは、U字型のピンの事を言います。Uピンにはアメリカピンのようにサイズがあり、大きいUピンをネジピンとも呼び、小さいUピンをオニピンと呼びます。
どちらも使い方は同じで、髪のボリュームを抑えたい部分に刺して使います。ピン自体には挟む力はなく、ただ刺しただけでは留まりません。カールアップをする時や和髪をする時に使い、毛の動かない土台か逆毛に絡ませて留めます。
毛ピン
毛ピンは、Uピンと同じ形状ですが素材がとても柔らかく自由に曲げられるようになっています。ピンの線が細い事で、目立ちにくいと言う利点があります。
ヘアセットの終盤に微調整したいと言う時に活躍します。少しだけ飛び出た髪の毛をおさえたり、表面の凹凸を直したりと土台作りでなく最終調整で使うピンと考えて良いでしょう。
熱を使って髪をクセづける「ヘアアイロン」
ストレートヘアやカールヘアを自由自在に楽しめるようになったのも、ヘアアイロンがあるからではないでしょうか。カールヘアを楽しむには、美容室でパーマをかけなければならなくてコストもかかるし、髪へのダメージも心配なところでした。しかし、ヘアアイロンは家電量販店やインターネットでも簡単に購入できるようになったので、普段のヘアセットやアレンジをする際にも大活躍です。
ヘアアイロン、コテ
ヘアアイロンは、コテとも呼ばれており髪の毛にカールを出すために使います。ヘアアイロンから発する熱を利用して、髪の毛の形状を変えていくのです。温度を高く設定すると、180℃程にまで上がるので火傷には注意が必要です。
また、ヘアアイロンのロッドの太さも26mmや32mm、38mmなどと分かれており、理想のカールの太さによって使い分けていきます。38mmの太いロッドでは細かいカールが付けられないので、細めの26mmのアイロンを購入してカールを微調整していくと良いかもしれませんね。
関連記事:美容師の火傷トラブルとコテの使用方法
ストレートアイロン
ストレートアイロンは、前髪や顔周りの髪のクセを直します。練習用のウィッグは、元々クセのない髪なのでストレートアイロンを使う事がありませんが、実際に人の頭でヘアセットをする場合には、よく使います。
逆に、ストレートヘアに波ウェーブをつけてアレンジしたいという時にもストレートアイロンが役に立つのです。クネクネと、アイロンのエッジ部分を交互に押し充てながら使う事でウェーブヘアが出来上がるのです。
ホットカーラー
ホットカーラーは、しっかりと面を出すような基本スタイルのヘアセットに使います。今流行りのルーズ系のアレンジには適していません。ルーズ系のアレンジには、ヘアアイロンを使用し、ホットカーラーで出来るカールとヘアアイロンで出来るカールの質感が異なるという事を覚えておくと良いでしょう。
また、16本を同時に温められるタイプのホットカーラーを持っていれば、一度に全頭巻けるので基礎練習にも向いていますよ。
仕上がりを長持ちさせるための「スタイリング剤」
ヘアセットを行う前や仕上げで使用するスタイリング剤には様々な特徴があり、使い方を間違えてしまえばセットを台無しにしてしまう事もあるのです。それぞれの特徴や用途を知って、思い通りのヘアセットをキープさせましょう。
ワックス
ワックスは、キープ力があり前髪やトップの髪の毛にクシュっとなじませれば、くせ毛のようにアレンジ出来ます。ただ固めるだけでなく、細かなニュアンス付けにも最適なのです。
クリームタイプより少し固めで、ベタつきがあるので髪の毛をしっかりまとめてくれますよ。手にワックスのベタつきが残るのが嫌という場合には、スティックタイプのワックスを使ってみると良いでしょう。生えかけの短い毛をしっかりとおさえる事ができます。
ヘアクリーム
ヘアクリームは、ヘアアイロンでカールを付けた後になじませて使います。セット力はないですが、艶を出しつつ程よくまとまります。
ヘアクリーム自体はとても柔らかく伸ばしやすいという特徴があり、しっとりと保湿してくれます。潤いと栄養を与えて髪のダメージを補修してくれる商品や毛量を抑えるためにまとまりを作り、ヘアセットをしやすくしてくれると言う商品などがあります。
ヘアスプレー
ヘアスプレーは、髪に艶を出したり固めたりと万能なアイテムと言えるでしょう。スプレーを吹きかけた後にすぐ固まるようなものから、時間をかけて固まるものもあります。時間をかけてゆっくり固まるようなスプレーは、手でアレンジを調整しながら仕上げられると言うメリットもあるのです。
また、キープさせたい部分にピンポイントで吹きかけられるのでとても使いやすく、立体感のあるスタイルを作る時にも重宝します。
ヘアオイル
ヘアオイルは、ヘアケアとしてヒートプロテクト成分が含まれているためドライヤーでのブローやヘアアイロンの熱から髪を守ってくれるのです。また、スタイリング剤としても艶っぽく仕上げられるため、ウェット感を出したい時には毛先から髪全体にオイルをなじませると良いですよ。
天然成分のみで作られているヘアオイルが美容業界でも人気があるので、一般の人も自宅用に購入するという事も少なくありません。敏感肌の人にとっても安心ですね。
カールローション
カールローションは、巻き髪を長時間キープさせたい時に使います。ヘアアイロンなどで付けたカールが取れやすいという人におすすめです。
カールローションは髪になじむのが早いため、塗布してすぐにアイロンでカールを付けられます。セットサロンで働く人にとって効率の良いアイテムなので、次々と巻き髪を行うようなシチュエーションで大活躍します。
ジェル、ポマード
ジェルやポマードは、襟足やもみあげなどの細かい髪の毛を整えるために使います。キープ力が強くカチっとしたイメージに仕上がるので、ふんわりとしたルーズ系のスタイルには適していなません。
ポマードはブラシなどに伸ばして使いますが、ジェルと比べても艶感が出てくるのが特徴。ポマードは和髪を作る際に使い、どんなヘアセットをするかによってジェルと使い分けていくと良いでしょう。
関連記事:スタイリング剤を上手に活用しよう
ヘアセットの練習に必ず必要な「ウィッグ(マネキン)」
実践のヘアセットで使うわけではないのですが、練習をするためのウィッグ(マネキン)を持っておくと良いでしょう。美容師がカット練習で使うウィッグとヘアセット練習で使うウィッグは異なります。毛量や髪質の違い、価格の違いなどがあるので、ヘアセット用のウィッグを使って下さいね。
関連記事:カットウィッグとセットウィッグの特徴
ウィッグ、マネキン
ヘアセット用のウィッグは、技術を向上させるためになくてはならないものです。ヘアセット用のウィッグはカットウィッグと違って使い捨てではありません。その為、お手入れも大切です。
人口毛を使用しているものもあり、毛質もカットウィッグより良質と言えるでしょう。少しカットウィッグより値段は高くなりますが、しっかり手入れをしておけば長く使えますよ。また、練習をする際に毛流れを見やすくするために、ウィッグをカラーリングすると良いでしょう。
クランプ
クランプは、練習用のウィッグを固定するための器具です。肩の形をしたショルダー型と一般的なスタンド型がありますが、重さもあって安定しているのはスタンド型と言われています。
ショルダー型は、ヘアセットをする際にイメージが付きやすくなるという利点もありますが、差し込むだけなので安定感がないという点も。スタンド型は、高さの調整も可能なので自分に合った高さで練習できるというメリットがあるのですね。
ヘアセットのお仕事は、特殊な技術を要する分、成人式やイベントが多い時期には引っ張りだこ。美容室のメニューとして用意されている事もあれば、ヘアセットを専門として提供しているサロンもあります。「毎日は働けないけど、成人式だけスポットで勤務したい!」という場合にも、技術があれば働けるでしょう。
ヘアセットは、ファッションと同様に流行りがあるので、常に新しいヘアアレンジをチェックしておくと良いのではないでしょうか。ヘアセットに必要な道具を正しく使い、サロンで活躍するヘアメイクさんになってくださいね。
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