美容スペシャリストな自分になるために
低価格サービスを提供する進化した美容室のかたち
全国的に低価格の美容室が増加中
美容業界では低価格でカットやカラーができる美容室が増加しています。その理由は、お客様の美容室への節約志向。さらに、来店サイクルが長期化したことも一因として考えられています。それに伴い、美容室では来店サイクルが向上するために、低価格でたくさん通ってもらえるサロンが誕生しました。では、どのように低価格を実現しているのか美容室のサービスを見てみましょう。
低価格なサロンが業績を伸ばしている理由
おしゃれで低価格なサロンが、業績を伸ばし続けている理由は3つあります。
・「1度のカット代を安く抑えて何度も通いたい」という人が増えていること
・ヘッドスパやシャンプー・トリートメントのみを目的としたお客様の来店
現在、美容室はカットやパーマをするところというイメージではなく、リフレッシュをするサロンという考え方に変化してきているといえます。
それに伴い、サロンでは低価格化を実現するために「一人当たりの担当時間を短縮して、回転率を上げている」という方法を取り入れるようになりました。
個人の髪質やメニュー内容にもよりますが、従来の美容室では一人当たりの顧客にかける時間が3~4時間でした。低価格の美容室では、メニューの工程を短縮して一人当たりにかける時間を少なくすることで回転率を上げ、そのぶん多くの顧客を担当する方針を取り入れています。カラーとカット、トリートメントを施術しても2時間もかからず仕上がります。
これまでの「髪が痛むのでパーマとカラーを同時にしない」という美容師や店側のこだわりをある程度妥協して、パーマとカラーを同日に行なうことも珍しくなくなりました。また、シャンプーをした後にカラーやパーマをしていた工程を簡略化し、はじめに髪を洗わず施術に取り掛かるなど、一人でも多くの顧客をこなすための工夫が行われています。
格安ではないサロンとの明確な違いが分かりにくいだけに、最近ではある程度の技術や接客力があれば、早くて安い美容室の方が好まれる傾向にあるようです。
シャンプーなしの施術で格安サービスを提供
「予約が不要・シャンプーなしでカットとスタイリングだけで20分」という、これまでにないサービス形態で低価格を実現したチェーン店舗が続々と登場しています。美容室では当たり前のように行われていた「予約不要」というシステムは革新的。「思い立ったときにすぐ行ける」というファストスタイルは、高級店での一流サービスにこだわらない若い世代に受け入れられています。時間がかからずに安くおしゃれになれるなら満足という考え方に、マッチングしたビジネスモデルです。
オートメーション化して人件費も「カット」
工程の一部をオートメーション化して、人件費や案内にかかる時間を削減。回転率の上昇に成功している美容室も多くのリピーターを集めています。
来店したお客様は自動受付機でメニュー受付を行なったあと、機械で精算を済ませておきます。順番が回ってきたら人の手で施術。カットのあとのシャンプーは、ロボットによる自動洗浄で済ませ、ドライヤーやスタイリングはセルフサービスという徹底した簡素なサービスです。これが年齢性別問わず「気軽に通える」と大人気。根元のみのカラーだけやカットとシャンプーのみなど、気軽に通えるメニューが豊富で多くのリピーターを獲得しています。「美容室=おしゃれや身だしなみ」という従来の概念に加えて「日常のメンテナンス」という捉え方が利用者のニーズを満たした成功例の一つです。
これまでの美容業界で普遍的だったスタイルを切り崩すことで、新たなビジネスの形を構築している美容業界。高級サービスや技術力で売るか、徹底した簡素なサービスで価格を抑えて提供するか、どちらのニーズにも応えられる時代になってきました。今後も理美容業界で新しいスタイルのビジネスが生まれる可能性は大いにあります。時代やニーズに合わせてどんな働き方や革新的なサービスが提供できるか視野を広げながら働ける方にとって、大きなビジネスチャンスを掴める業界と言えるでしょう。
この記事に関連するキーワード
関連求人を探す