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作成:2017.07.20

特集

時間外労働に必要な36協定とは

「36協定」に関するアンケートについて紹介。残業時間の平均や心身に支障をきたす残業時間などを、協定の解説を踏まえて解説します。時間外労働が多い方や、36協定についてよく知らないという方は必見です。

そもそも「36協定」って何?

 


労働基準法では、1日の労働時間は8時間以内、1週間では40時間以内と決められており、この時間を超えたら雇用主は罰せらます。ですが雇用主と従業員が協定書を作成することで、規定を超えた時間外労働が可能に。このルールが定められている労働基準法36条にちなんで、この協定は「36協定」と呼ばれています。
 
36協定による時間外労働の上限は、1日6時間、1か月45時間、1年間360時間。これは過労にならないように医学的見地も含めて定められたものですが、この時間をさらに超えて働く必要がある場合のために、「特別条項」という例外も存在します。

36協定にまつわるアンケート

日本労働組合総連合会では、この36協定に関する様々な事柄についてのアンケートを実施。アンケートは全国で働く20歳から65歳の男女を対象とし、これによって時間外労働の実態や協定の認知度が明らかになりました。
 
まずは1カ月の残業時間について。業務において残業を命じられる人は、男性が68.2%、女性54.7%と男性の方がやや高め。世代別で見ると、最も多いのが20代男性の80%、最も低いのが60代男性の39.2%という結果になりました。さらに1カ月の残業時間を尋ねたところ、44%の人が「10時間未満」と回答。ですが「60時間以上」と回答する人も6.9%ほど存在し、平均では22.5時間という数字が出ています。
 
「会社が残業を命じるためには36協定の締結が必要」であることを知っている人は、全体の56.5%。これは2014年調査時の39.4%から上昇してはいますが、まだ認知していない人も4割ほどいることが分かりました。さらに自分の勤務先が36協定を締結しているかどうかについて、「締結している」と答えたのは半数を下回る45.2%。「締結しているかどうかわからない」と答えた人が37.6%と、周知が徹底されていないケースも多いようです。

労働者が感じる「健康に支障をきたす残業時間」

「自身の心身の健康に支障をきたすと感じる1ヵ月の残業時間」という設問では、男性の平均が38.1時間、女性の平均が52.1時間と男女間で差のある結果に。ですがほとんどの世代で「30時間未満」と回答する人が一番多く、全体の平均では46.2時間となっています。
 
働きすぎや仕事のストレスが原因で死に至る病を発症した場合は過労死と認定されるのですが、厚生労働省によると、1カ月あたりの時間外労働が45時間を超えてからが仕事と発症に関連があると認められるそうです。80時間を超えればほぼ確実に過労死が認められるわけですが、今回のアンケートによって労働者はその最低ラインから健康への影響を感じていることが分かりました。身体が資本の労働ですから、時間外労働も無理のない範囲で行いたいですね。

Author:美プロ編集部

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