美容スペシャリストな自分になるために
美容師が知るべきパーマの仕組みとパーマ理論
アシスタント美容師のみなさんは、ただ漠然とパーマの練習をしてはいませんか?パーマと一言で言っても、しっかりとした理論があり、お客様に「パーマってどうしてかかるの?」といきなり聞かれたときに答えられなくて困ってしまうことになりかねません。そこで今回はパーマの仕組みを解説していきます。
パーマは切断と結合でできている
パーマは美容師技術のなかでも比較的難解で、理論的な分野を突き詰めようとすると、きりがないほど深いものです。そのため、なるべく簡単に分かりやすく解説をしていくとするならば、パーマは「切断と結合」からできています。
結合には4種類あり、そのうち3種類を切断し、変形させた状態で結合することでウェーブを作り出すという技術がパーマです。
結合の種類
髪の毛の結合方法には4種類あります。それぞれの結合の特徴について解説をしていきます。
水素結合
水素結合は、最も簡単に切断をすることができるタイプです。切断方法は髪の毛を濡らすだけです。パーマ前に必ずシャンプーをするのは、ただ髪の毛の汚れを落とし薬剤が浸透しやすい状態にしているのではなく、パーマをかけるために重要な「切断」をしている場面でもあります。
シスチン(S-S)結合
シスチン結合(S-S結合)はいわゆる1剤(還元剤)の還元作用で切断できる結合です。髪の毛は主にタンパク質で構成されていて、そのタンパク質を構成しているアミノ酸に作用することにより切断します。
切断したシスチン結合(S-S結合)を再結合させるためには、2剤(還元剤)の還元作用を用います。2剤には、臭素酸塩や過酸化水素などの酸素を放出する作用を持つ薬剤が使われるため、効率よく酸化し再結合します。
イオン結合
イオン結合は、さまざまな方法で切断再結合ができる結合ですが、パーマでは主にパーマ剤の働きにより切断することができます。イオン結合が安定するのは弱酸性で、アルカリ性に傾くことで、結合を切断することができます。
パーマ剤の1剤にはアルカリ性の性質があるので、塗布することで髪の毛がアルカリ性に傾き、イオン結合を切断することができます。また、2剤には酸性の性質があるため、一度切断された結合を塗布することで再結合することができます。
ペプチド結合
ペプチド結合は髪の毛にとって最も大切な結合で、ペプチド結合が切断されてしまうと、元の状態に戻すことはできません。ペプチド結合は、強いアルカリ性の性質を持った薬剤や過酸化水素などで切断されてしまうことがあるので、縮毛矯正やパーマ、カラーなどで、ある程度は切断されてしまいます。
また、髪の毛のほとんどのペプチド結合が切断されてしまった場合、髪の毛はナイロンのようになり、コシがなくなり、常に軟化した状態になってしまいます。また、ペプチド結合が切断されると、髪の毛が水を含むだけで軟化するようになってしまいます。
しかし、一般的な施術ではペプチド結合を切断することはほとんどないので、安心してください。注意しなければいけないのは、縮毛矯正やブリーチを繰り返し行うような施術です。
パーマの基礎を抑えましょう
実際には、パーマ剤を正しく扱えばこのような知識がなくてもパーマをかけることは可能です。しかし、お客様に「パーマってどういう仕組なの?」と質問されたときに、切断と結合でできていることや、結合の種類とそれぞれの切断方法などを答えることができれば、とても信頼できる美容師になることができますよ。
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