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ヘアメイクアーティストになるには――何を学べばいいのか、必要な資格はあるのか、気になる情報を大特集!
ヘアメイクアーティストになるにはどうすればいいか、あなたはご存知ですか? ヘアメイク全般を担当して、人を美しくするこの職業。華々しい芸能界で活躍したり、結婚式場などで一般の人を相手に仕事したりと幅広い働き方ができるのも魅力ですよね。
今回はそんな“ヘアメイクさん”になるための方法をご紹介。どんな勉強をすればいいのか、どんな場所で働けるのかといった基本的な知識から、持っていると就職で有利になる資格までご紹介します。進路に悩んでいる人も転職を目指している美容師さんも、ぜひ読んでみてください。
INDEX
■ヘアメイクアーティストって何?
■どうやったらなれるの?
■ヘアメイクアーティストの資格
■ヘアメイクアーティストの資格を取得するには
そもそもヘアメイクアーティストって何?
ヘアメイクアーティストとは、文字通り「ヘアメイク」を生業とする職業。顔のメイクアップと髪型のセットの両方を担当して、お客様が美しくなれるように総合的にサポートしていく仕事です。また、働く場所によって具体的な仕事内容が変わってくるのも特徴。以下では主な職場と、その仕事内容についてご紹介します。
モデルやタレントを担当する
ヘアメイクアーティストはヘアセット・メイクアップの“プロ”として、モデルやタレントを美しくします。たとえばファッション誌の撮影やファッションショー、テレビ番組や映画など様々な場所でその技術は必要とされています。華やかな芸能界に携わることができるのも、この仕事の魅力です。
また、モデルを美しくするための通常のヘアメイクとは異なり、役柄に合わせて役者を“変身”させる特殊メイクを担当することも。ただし特殊メイクには専門技能が必要で、就職先も普通のヘアメイクアーティストとは違った場所になります。
ヘアセット専門店・美容室で働く
もちろんモデルやタレントだけでなく、一般のお客様を相手に働くことも多くあります。
ヘアセットのメニューを取り扱うサロンやヘアセット専門店では、結婚式の参列者・七五三の参列・成人式といったイベントに合わせてヘアメイクの予約が入ることが多々。そんな時に活躍するのが、ヘアメイクアーティストです。
イベントがある日には、決められた時間の中でたくさんのお客様を対応することが求められます。短時間で完璧なヘアメイクを施すスキルを身につけたい方にぴったりな働き方。
ブライダルのサロンで働く
参列者ではなく、新郎新婦のヘアメイクを専門に行うという働き方も。挙式当日だけでなく、打ち合わせやリハーサルから関わっていくため、ヘアセットやメイク以外の知識も必要になります。中には挙式当日のアテンドまで任せてもらえることもあり、正しい所作や結婚式のマナー全般を学ぶことができて、やりがいはとても大きいはず。
フリーランスとして働く
サロンに所属することなく、独立して働くという方法もあります。最初からフリーランスとして仕事を得ることは難しいので、まずはどこかのサロンや団体に所属して実績をつくっていく必要があります。
フリーランスの場合、成功すれば大きく収入アップを狙うこともできます。自分の実力を試してみたい方は、挑戦してみても良いですね。
どうやったらヘアメイクアーティストになれるの?
国家資格は必要なし
高い技術力が求められるヘアメイクアーティストですが、実は必須となる国家資格などはありません。国家資格が必須になるのは、ヘアカットを行う美容師や理容師だけなんです。とはいえ、就職先の幅を広げるためにはヘアメイクアーティストでもヘアカットを行えたほうがいいのは確か。できれば美容師免許を取得しておいた方がスタイリングにも幅も広がりそうですね!
ヘアメイクの専門学校に通う
では具体的に、どうすればヘアメイクアーティストになれるのでしょうか? 決まった方法があるわけではないものの、一般的にはヘアメイク専門学校や美容系の専門学校で、ヘアメイクを学べるコースに通う人が多いようです。そうした学校に行けばヘアメイクについての基本的な知識や技術を身につけられますし、学校によってはプロの講師から技術を学んだり、貴重な業界情報を手に入れたりすることもできます。
授業内容としては、ヘアカットやカラーリング、スタイリングといった美容師と重なるものから、ブライダルヘアメイクや特殊メイクといった具体的な進路を想定したものまで様々。肌質や年齢などに合わせたメイク方法や接客スキルも学べる上、本物のサロンに近い設備で実習を受けられることも多いので、技術を磨くには最適な場所だと言えます。
また、資格の取得をサポートしてくれたり、卒業後の就職先を斡旋してくれたりといった授業外のメリットもたくさん。多額の学費がかかり、2~3年制と学び終えるまで時間もかかりますが、将来のことを考えるならかなり有力な選択肢です。とはいえ学校によって学べる内容は異なるので、自分の進路に合ったところを探すところから始めましょう。
関連記事:美容専門学校を選ぶことから始めましょう
民間のヘアメイクスクールに通う
そのほかにも、民間スクールでヘアメイクの技術を身につける方法もあります。こちらは専門学校と比べると学費が少なく、短期間で卒業できるのが魅力。また、ヘアメイクコースならヘアセットとメイクアップだけなど、自分の進路に必要な内容を集中して学べるのも特徴です。
通信制の講座で学ぶ
さらに学校に通わず、通信講座で学んでいくのも一つの手です。すでに別の職業で働いていたり、子どもがいたりと時間が自由にならない人にはオススメで、学費が格段に安いという利点もあります。ただし資格を取るための勉強になるので、実習を受けたりして経験を積むことができず、技術を磨くのも難しいというデメリットも。企業によってはヘアメイク学校を出ていることが採用条件になることもあるので、その点も踏まえて学校を選ぶと良いでしょう。
たとえば一般社団法人JMAが認定している「日本メイクアップ技術検定」やIBF国際美容連盟が認定する「IBF国際メイクアップアーティスト認定試験」といった資格を取れば、メイク技術があることを客観的に証明できます。また、ブライダル系に進むなら日本トータルメイクアップ協会の「ブライダルメイクアップ検定」を取得するなど、進路に合わせた資格選びも大切ですね。
とはいえ資格だけでなく、実際のヘアメイク技術や美に関するセンス、コミュニケーション能力も磨かなければなりません。そのため学校を卒業した後、フリーで働いている人に弟子入りして学ぶという道を選ぶ人もいるようです。
なお、メイクアップアーティストはお客様の要望に応えるというより自身のセンスによって人を美しくする仕事。まさに“アーティスト”なので、実力を認められていけば有名になり、モデルやタレントの専属として働くことも夢ではありません。企業に勤める場合には約200~500万円ほどが平均年収になるようですが、フリーで大成して売れっ子になれば数千万円以上まで跳ね上がることも。メイクアップアーティストは、美容業界の中でも夢のある仕事なんですね。
ヘアメイクアーティストの色々な資格
ヘアメイクアーティストになるには決まった資格は必要ありませんが、取得しておくと有利になる資格はたくさんあります。その1つが国家資格の「美容師免許」。ヘアメイクアーティストはヘアカットの施術が必須の仕事ではありませんが、結婚式場などの職場によっては美容師免許の取得が必須のところもあります。取得するためのハードルは高いものの、仕事の幅を大きく広げることができるでしょう。
メイクの基礎技術を問う一般社団法人JMAの「日本メイクアップ技術検定試験」も、代表的な資格の1つです。3級から1級までの段階に分かれていて、1級の試験では15分間でカウンセリングからスキンケアまでを実施。その後の30分間でベースメイクと、モデルのリクエストに合わせたフルメイクを施すことになります。
また色彩検定協会の発行する「色彩検定」も、ヘアメイクアーティストを目指す人にとって“使える”資格。色彩についての知識・技能を問う試験に合格することで取得できます。こちらも3級から1級まで試験のレベルが分かれていて、「ファッションカラーの変遷」や「色の心理的効果」などの実用的な知識も出題される様子。
ヘアメイクアーティストの資格を取得するには
ヘアメイクに求められる資格の中で、最も取得のハードルが高いのは「美容師免許」。厚生労働省の条件を満たした「美容学校」に通い、その後国家試験にも合格する必要があります。他の資格と違って、取得するための費用も高額になるでしょう。
また、それ以外にもヘアセットやメイクを仕事とするヘアメイクアーティストならばおさえておきたい資格試験がいくつかあります。
誰でも挑戦できるものが多いので、ぜひ詳細を見てみて下さいね!
日本メイクアップ技術検定
メイクアップを仕事としている人向けに作られたのが、日本メイクアップ技術検定。3級から1級まで級が分かれており、3級ではスキンケアやメイクアップの基礎、2級ではバランスに沿ったフルメイクアップ、そして1級では悩みや要望に沿ったメイクができるかどうかを審査されます。
3級であればヘアメイクの経験が無くても誰でも挑戦することができるため、これからヘアメイクアーティストになりたいと考えている人は第一歩としてぜひチェックしておきましょう。
「日本メイクアップ技術検定試験」の受験料は、認定証(ディプロマ)代込みで3級と2級が6,500円(税抜)。1級は少しだけ値段が高く、8,500円(税抜)という設定になっています。試験対策用の公式テキストをJMAが発行しているほか、セミナーが開催されることも。公式テキストを使って独学だけで合格する人もいるようですが、タイミングが合えばセミナーを受講してしっかり準備しておくのがおススメです。
色彩検定
続いては、メイクよりももう少し色本来の知識に特化した「色彩検定」をご紹介します。
メイクで用いる色だけでなく、ファッションやデザイン、インテリアに使用する色に関しても深く理解をすることができる資格です。こちらも同様に3級から1級まで級が分かれており、3級では色の分類や色彩心理、色彩効果といった色彩の基本的な知識が問われ、2級では3級の知識に加えて照明や配色イメージ、ビジュアルデザインなどの応用知識が問われます。最もレベルの高い1級では、色彩調和論やプロダクトデザイン、環境色彩といった高度な知識が問われます。
また「色彩検定」の受験料は3級が7,000円で、2級は10,000円。そして一番レベルの高い1級が15,000円となっています。試験内容は基本的にはマークシート方式ですが、1級だけは2次試験で記述式+一部実技の試験を実施。こちらも試験対策用の公式テキストが刊行されていて、独学で受験する人も多数。過去問題集も販売されているので、興味がある人はチェックしてみてはいかがでしょうか。
パーソナルカラリスト検定
「人と色」に着目して、色彩と配色の知識を身につける資格です。近年話題になっているパーソナルカラー診断(ブルーベース、イエローベースなど)にも関連した検定であり、美容業界でも広く活用することができます。
3級では色の仕組みやブライダルと色彩の関係性、ヘアメイクやパーソナルカラーの特徴などが問われ、2級では3級の内容に加えて配色テクニックやヘアカラー、ネイルカラーなどの内容も問われます。1級では、より実用的な色調配色やCUS表色系、色彩調和の応用などが問われます。
「パーソナルカラリスト検定」の受験料は、3級は7,560円、2級は10,800円、そして1級は17,280円です。やや高額な受験料ですが、人気の資格のため、所有していると一目置かれる存在になれるはず。自分のスキルアップのためにも、ぜひ取得を視野に入れてみましょう。
美容業界でも憧れる人の多い、ヘアメイクアーティストの世界。自分のセンスがどこまで通用するか試したいという人にはオススメの職種です。もちろんそれだけに競争が激しい世界でもあるので、しっかりと腕を磨いてから挑戦してみましょう。
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